交通信号感知器の仕組み

交通情報(渋滞、混雑など)を収集する手段としては、警察官等からの人的情報と感知器による電子的な情報収集があります。交通に応じ交通信号機を自動的に制御する上で、最も重要な役目を果たす感知器について、その種類と仕組みを掲載しています。

感知器の種類

感知器が情報を収集する方法としては、超音波、電波(マイクロ波)、光、画像(カメラ)を用いたものがあります。

<超音波式感知器>

人の耳では、聞こえない高い周波数の音波(超音波)を発射し、地面で反射してくる時間と、車両等で反射する時間の差で検知します。最も、一般的な感知器です。

<マイクロ波式感知器>

超音波の代わりに電波を利用して同様の事を行っています。併せて、速度検知も行うことができます。無線局の免許が必要です。

<光学式感知器>

超音波の代わりに光を利用し同様の事を行っています。併せて、速度、進行方向などの情報も収集しています。

VICS情報のやりとりを双方向通信する光ビーコンの付属機能です。

<画像式感知器>

カメラにより動画を収集し、分析ソフトで車両を検知しています。併せて、速度、進行方向などの情報も収集しています。

感知器の種類

道路の環境、収集の用途、費用効果などが検討され最も適した方式の感知器が設置されている様です。

感知器の基本動作

基本的には、車両感知器は感知器の下に車両が通過したことを検知し、その情報を制御器に送ります。制御器は、この情報を基に信号灯器の色を変更し、状況に応じた最適な交通制御を行います。

感知式の交差点では、従道路側(進入する側)に設置された感知器が車両を検知すると主道路側の灯器を赤色にし、進入側道路の灯器を青色に変更することにより進入車両がある時だけ進入できるようにしています。(この様な交差点では、歩行者横断用に押しボタンが設置されています。)

感知器の基本動作

感知器で車種を選定する方法

感知器の下を車両が通過すると、普通車か大型車かの選定をしています。

感知器からの、超音波(電波、光)が反射してくる時間を測ることにより判定しています。

感知器で車種を選定する方法

超音波感知器で速度を収集する方法

本来、速度情報が必要な路線では、マイクロ波式感知器、光学式感知器、画像式感知器を利用するのが有効ですが、超音波式感知器を2台設置して収集することも可能です。

感知器1を通過した後、感知器2を通過する時間を図ることによって、おおよその速度情報が収集できます。

超音波感知器で速度を収集する方法

感知器による右折レーン滞留情報

大きな交差点では、右折車両の台数が多いと決められた右折矢の表示時間だけでは、右折レーンで車両の滞留が起こり滞留した車列の後方はみ出しによる渋滞、事故の発生が懸念されます。

右折レーンにおける車両の滞留を感知器で検知し、右折矢の表示時間を延長することで、このような状況を軽減しています。

感知器による右折レーン滞留情報

狭隘道路における車両検知

通常の超音波式感知器の場合、その検知範囲は概ね1車線を車両が通行した時に検知できる範囲となっています。

他方、狭隘道路と交叉している交叉点において、狭隘側道路に感知器を設置して検知する様にした場合、通常の感知器の検知範囲では、広すぎるため主道路からの進入車両を間違えて検知し無駄な制御が発生することにより主道路側の車両を停止させる事になります。

この対策としては、検知範囲の狭い超音波感知器が使われています。

狭隘道路における車両検知

狭隘用超音波式感知器を設置しても、誤作動が起こる道路では、画像感知器を設置し、主道路への進入方向にある車両のみを検知しています。(画像感知器は、費用もかかるため費用対効果で設置されている様です。)

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